グループホームとは、認知症の診断を受けた高齢者が、少人数で共同で生活する施設です。「認知症高齢者グループホーム」や「認知症対応型共同生活介護」と呼ばれることもあります。
介護保険では、「地域密着型サービス」とされており、原則、施設がある市区町村に住民票がある方のみ利用できることになっています。
認知症の症状を緩やかにすることを目的とし、5~9名を1ユニット(1グループ)、一施設は2ユニットまで(一部地域により3ユニットまで可)の小規模な施設とされています。認知症であっても自分でできる料理や洗濯、掃除等の家事はスタッフに見守られながら自分で行うことができます。入居者の持っている能力を維持しながら生活することはグループホームの介護のあり方とされています。
また、グループホームの介護スタッフは、認知症に詳しいスタッフが配置されているため、ご家族も安心して任せることができます。
グループホームの居室は、有料老人ホームと違い、居室内にトイレや洗面などの水回りはなく、ご自宅の寝室と同じような仕様となっていることが多いです。
グループホームは、①原則65歳以上で、②認知症の診断を受けた、③要支援2または要介護1以上の高齢者で、④施設のある市区町村に住民票がある方が利用できます。
医師や看護師の配置義務がないため、医療依存度が高い方の受入れは難しい施設もあるため、確認が必要です。
グループホームは、入居一時金がある施設は少ないですが、家賃の2~4ヶ月分ほどの「保証金」を設定している施設は多いです。保証金は、月額利用料を滞納された場合や退去時にお部屋の現状回復費として用いられ、残金は退去時に返金されます。
月額利用料は、大きく分けて「家賃」「管理費」「食費」の他、入居者の状況に応じて必要な「介護保険サービス費」「医療費」「日用品等の消耗品」がります。
■保証金:0円~100万円程度
■月額利用料:15万円~30万円程度
認知症であっても、何もできなくなるわけではありません。介護スタッフの見守りや声掛けがあれば、自分できる能力を維持しながら共同生活ができる方にはグループホームがおすすめです。しかし、共同生活が苦手な方や、持病により医療サービスを重視する方は、介護付有料老人ホームをおすすめいたします。
また、いまでは転居ならぬ「転ホーム」も、施設選びの一つの考え方です。認知症状、身体介護が軽度の時はグループホーム。もし重介護、医療ケアが必要になった場合は、介護付有料老人ホームに転ホームするなど、入居一時金がなく月額払いの料金プランが増えた今、入居者の身体状況に応じて施設を変更することも施設の賢い選び方です。
■ 65歳以上の認知症の診断を受けた方。
■ 施設の住所地に住民票がある方。
■ 1ユニット5~9名の小規模の施設。
■ 家事などのできることはスタッフが見守るなか継続して行うことができる。
■ 看護師が常駐していないため、医療対応は難しいことが多い。
■ 少人数での共同生活となるため、スタッフが常時必要な重介護となると利用できなくなる可能性がある。