有料老人ホームには、「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類があり、入居者へ、食事の提供、身体介護、洗濯、掃除等の家事や健康管理などのサービスを提供する施設です。入居対象者や費用、提供されるサービス、スタッフの人員配置など、施設によって異なるため、入居前に確認しましょう。
介護付有料老人ホームは、有料老人ホームの種類の中の一つで、都道府県知事から「特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けた施設です。この指定を受けた施設のみ「介護付」と表示することができます。
「特定施設入居者生活介護」とは、その施設で働いているスタッフが、ケアプランにそって介護や掃除、リハビリなどの生活に必要なお世話をすることです。そのため、お元気な方から重介護の方まで利用でき、看取りが可能な施設も多くあります。また価格の差は、立地の他、提供されるサービスや介護スタッフ、看護師の配置による医療対応などによります。
原則65歳以上の高齢者、または特定疾病を受けた40歳以上65歳未満の方(2号被保険者)が対象となります。なかでも「介護専用型」は要介護1以上の認定を受けた方が対象となります。介護認定を受けていない自立の方、要支援の方から要介護の方まで利用できる「混合型」もあるため、介護付有料老人ホームを選ぶ際は、入居要件をしっかりチェックしましょう。
介護付有料老人ホームは、基本的に認知症の方も利用できます。
例えば、他の入居者様やスタッフに危害を加えてしまう、他の入居者様のお部屋に入ってしまうなど、重度の問題行動や問題行為があり対処改善ができない場合などは、断られてしまうケースもあります。受入れについては、施設によって異なるため、事前に確認が必要です。
施設へ確認する際は、「今まで認知症の方でお断りしたケースはありますか?またその方はどんな症状でしたか?」など具体的に事例を聞いてみると良いでしょう。
介護付有料老人ホームに入居するための費用には、入居一時金と月額利用料が必要となります。
施設の設備、人員配置、提供サービスにより異なりますが、価格の割合で一番占めているのは立地による家賃です。
入居一時金は、家賃を入居時にまとめて前払いするものです。入居一時金の価格は、立地や想定居住期間(入居者が利用する平均期間)の設定などにより、施設によって異なります。設定されている期間以内に退去した場合は、施設の算出方法による返還金を設けていることが多いですが、施設によって異なるためしっかりと説明を受けましょう。また、現在では、入居一時金がない0円プランを用意している施設も増えています。
月額利用料は、大きく分けて「家賃」「管理費」「食費」の他、入居者の状況に応じて必要な「介護保険サービス費」「医療費」「日用品等の消耗品」があります。
入居一時金がない0円のプランの場合、入居一時金を払うプランより月額費用が高くなります。どちらのプランの方が支払いやすいか、入居者の状況によって検討しましょう。
■入居一時金:0円~5000万円
■月額利用料:15万円~80万円(最多価格帯:20万円~40万円)
介護付有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐しており、設備も含め介護体制が整っているため、認知症により常に見守りが必要な方や、生活全般に介助が必要な方にお勧めします。また、看護師が日中配置され、協力医療機関のとの連携もあるため、緊急時の対応も整っています。医療依存度の高い方には、24時間体制で看護師を配置している施設がお勧めです。
また、ご夫婦で入居を検討している方には、「混合型」の介護付有料老人ホームがお勧めです。
「混合型」であれば、それぞれのお体の状態に違いがあっても、自立の方から重介護の方まで受け入れているため、同じ施設に入居することができます。
介護付有料老人ホームは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているため、毎月、介護保険の利用限度額の上限まで入居施設で利用することになります。そのため、入居前に利用していたデイサービスや訪問介護などのサービスは利用できなくなります。しかし、デイサービスで提供されていたアクティビティや入浴サービス等は、施設内で提供されています。また、入居者のご状態に合わせてリハビリのサービスを提供している施設も増えています。
■都道府県知事からの指定を受けた有料老人ホームの種類の一つ。
■対象者:原則65歳以上の高齢者で、自立~要介護者幅広い。(介護専用型は要介護者のみ)
■24時間体制で介護が整ているため、安心して利用することができる。
■医療対応:看護師は日中のみ常勤、24時間常駐している施設もあり
■認知症の受入れ:原則可能。症状によって不可の場合もあるため事前に要確認。
■費用には、家賃の前払いとして入居一時金と月額利用料がある。
【入居一時金】0円~6,000万円位/【月額費用】15万円位~80万円位
■施設内で介護保険利用限度額上限まで利用するため、外部のサービス等は利用できない。